この知恵で考えられること
自分が過去に大量のアイデアを多くの人間に否定されてきた、大量のアイデアを実践しているから。
1.はじめに
1-1.なぜ書くのか
自分が過去に大量のアイデアを多くの人間に否定されてきた、大量のアイデアを実践しているから。
- 10年働いた今でも1事業や1PJTを始めるためには平均しても20以上のアイデアを他者との対話や承認、または自分の中でも否定している。
- 10年アイデアを作り続けてもなお、5%な訳であり、働き始めて最初の2年くらいは大きなサイズのアイデアについてはほぼ通過率は0%。
- そんな自分を振り返り、みんなはスキップできるだろうと思う部分を書く。
1-2.アイデアとは何を指しているのか。
- この記事で指すアイデアをあまり限定をするつもりはないが、使うリソースの少ないアイデアは吟味する必要がないためあまり想定していない。
- 比較的、投資を行うような判断が行われるアイデアを想定している。
1-3.ロジックよりアイデアの理解は難しい
- ダウンジャケットで氷を包むと溶けにくくなる。このアイデアはわかりにくい。
- 夏には薄手の長袖を着ることで発汗後の揮発が促進されて涼しくなる。このアイデアもわかりにくい。
- ただし、それは実践すればすぐに事実として効果がある。
- この例よりもよほど難解な物事を扱うことが多いからこそ、もっとビジネスの中でのアイデア採択は難しく簡単に他社を真似して終わる。
- ロジックの議論はいつも簡単で、アイデアを信用することは大人でも難しい。
1-4.アイデアを採択するとはどういう行為か
新しく何かを始める行為であると同時に、何かを奪う行為である。
- 採択と聞くと学生時代な感覚としては、受かる、賞状をもらったりという行為が早期されるかもしれない。
- 社会におけるアイデアの採択とは、何か別のアイデアや投資の機会にも使えるリソースを、そのアイデアが奪うという解釈が正しい。
- 学生時代も本質的には同じであり、あなたのアイデアが採択されることは他のアイデアが不合格になることである。
あなたが向き合っているライバルは決裁者ではなく、過去の全従業員の知恵であり、業界全体の知恵である
- そして、実社会におけるアイデアの採択とは過去の人間全体が積み上げてきた行動ややり方よりも良いという判断である。
- その組織内での雑談として良いだけではなく、過去を知り、過去を勉強し、あらゆる手段を思いついては捨ててきている組織全体において採択するという行為である。
1-5.技術なのか才能なのか
- 1発で当たる能力は間違いなく才能だと思う。
- 1年以内に大きなアイデアを会社や組織で生み出し実行に移すという能力は間違いなく努力次第で伸長可能な技術めあると考えている。
2.概論・まとめ
アイデアが成就しないのはなぜ?
- アイデアがアイデアとして判断するようなものとして成立する必要条件の認識が間違っているから。
- その条件が未達なアイデアを提案しているから。
- そして、筋が良い可能性があったアイデアだとしても、たいていの人がそのアイデアをセルフネグレクトをしているから。
3.アイデアが死ぬメカニズム
形骸的メカニズムと本質的メカニズムが存在する。
一般的に想起されやすいアイデアが死ぬメカニズムのほとんどは形骸的なメカニズムではないかと思う。
形骸的メカニズム
良さが上手く伝わっていない
- よく言われる伝え方がよくないよ〜伊達はなし。
- それは本当にそうだろうか???
- あなた以上に責任感を持って全体を見ている人間が、大きく成果を作りえるためのヒントが含まれるアイデアであった場合に本当にその話を適当にあしらうだろうか。
- 本当に伝え方だけで、それが採択されるか、実現されるか否かが変わっていただろうか。
自分のことを軽んじられている。
- これも愚痴としてでてくるケース、
- 誰が言うかによってアイデアの採択され方が違うという話である。
- 本当にそうだろうか???
- それは本当に自分のアイデアが実現されるかどうかに関係があるだろうか?
本質的メカニズム
アイデアとして評価可能な形になる前に、あなたが提案をやめている
- とてもシンプルだがこれだけな感覚。
- 自分を振り返ってみても9割のアイデアが採択されないケースはこれである。
- 次の4章でしっかり目にアイデアの成立条件を解説する。
評価者はあなたの発言以上に、そのアイデアを理解してしまっている。
- 評価する側の人間は基本的にあなたの10倍以上の数や幅のアイデアをぶつけられているケースがほとんどである。
- そのため少ない情報や言葉から、その10倍の情報や意味や価値を想起できてしまうのである。
そもそも本題を話していない
- 上手く話す、上手く採択されることを重要視した忖度会話。
- 目の前のロジックや目標との接続性など本当は意識していないが、あたかも接続性があるかのように伝えている。
- 本当に感じているリスクや、本当に感じている長期的なあるべき姿を伝えていない場合が多い。
具体的に採択に向けて進行していない
- 起票→判断という単線のフローで判断できるようなアイデアは多くない。または小さいやつ。
- そのため、大きなアイデアの提案期間は半年や3ヶ月以上で着地に向かう前提で話すべきである。
- それが面倒に思うのもわかるけど、1時間のmtgするだけで採択できるようなアイデアなのであれば、それをまだ実行していない組織は怠慢過ぎるのであんまりそんなことはない。
4.アイデアが持つべき10の成分
アイデアは成熟していくものであるという前提に立ち、実行に移るまでの過程でどういった成分を獲得し解像度を高めていくのかを分解したモデルである。
レベル1:提案する価値なし
これら成分が含まれない場合はアイデアとして他者にとっては取扱いようがない状態であり、起票時の最低限含むべき成分。
1.現実的である
- 1番アイデアが死ぬゾーンがここである。
- システムとしての実現性とか、関係者全体と合意できるか?という意味での現実性の話では全くない。
- 施策や機能や事業が作る、具体的な現実として、どのように何が生まれるの?という話。
- だいたい頭の中でさまざまな現実を無視していることが多いアイデアマンや発明家に見えるような人は、だいたいはここの具体的なシミュレーションが頭にはある。
- その人は、その上で思いつきのように話しているように見えるだけ。
- 何故かというとそれは他の人が具体的に考えきっていない現実的な何かをイメージしたりシミュレーションしているからである。
- その思いつきのように話している所作だけ真似ると見てられないので辞めましょう。
2.時間軸が存在する
- それをやると、いつからどれくらいの効果が期待できるのかというシンプルな話。
- 人材コストを80%削減します!という企画でも、「30年後までに!」であれば話にならない。
- 逆に、すぐには効果出ないでしょ?と勝手に短期効果で評価されてもいけない。
- 具体的にイメージすれば必ず具体的に成果としてまとまりが出るタイミングは想定できる。そのヨミがない場合には扱えない。
3.相対的特徴がある
- アイデアを評価する側や、アイデアに巻き込まれる側の頭の中には、沢山の見てきたアイデアが頭にあるという前提で向き合う必要がある。
- 世界中のすべてのアイデアとの比較は必要ないが、考えられるアイデア群の中での「特徴がわからないもの」に対して評価をするというのは難しい行為である。
- つまり、どう違うの?に一言で答えられない場合は自分も分かってない状態。
4.成果の具体性がある
- 「ooが良くなる」という話はたいてい勘違い。
- 薬を企画する場合に健康になる薬を企画することはない。
- 「ooなウイルスにooという手法でoo程度の効果がある薬」を企画するよね。
- 生産性が上がる、とか売上があがる、ことを目的に企画しているのであれば「健康になる薬」を作ると良いのでは?くらいしか言ってないので聞く価値はない。
- 数字が必要なのではなく、数字でも扱えるほどの現実的な解像度が必要。
- 具体的に成果を定義することの恩恵の1番は計算可能になることである。
- 皮算用は残るとしても期待値のサイズ感何がどの程度変わると言っているかのイメージができることも必須。
レベル2:候補に上がる最低ライン
社会に対して実際に投入したり投資を始めるべきアイデアとして「良い」と評価されるための必須要素。
5.ステークホルダーの目線が網羅的に考慮されている
- これが満たされていないだけなアイデアの品質不足状態なのに、全体を否定されていると解釈してしまって萎えてるケースが多い。
- 1個人で全ての観点を網羅できないケースがほとんどとなるため、影響先やステークホルダーについては細かく洗い出しを行う必要がある。
- だいたいは否定ではなく、ここも抑えてくださいっていうアイデア改善のオーダーを話しているのに、このアイデアは良いんです!とか返してるならドンマイ。
- この洗い出しはむしろアイデアの質を高めるためのマストプロセスでもあるため、めげずに行うのが良い。
6.実行内容の過剰性がない
- 多くの場合、アイデアが持つクリティカルな価値に対して過剰な成分や施策が多すぎる。
- それが原因で棄却されているケースが多い。
- 本当に成果や目的に資する範囲に削ぎ落とした形でアイデアは実行を始められると良い。
- 載せている未来図が過剰なのか、本質的な目的として妥当なのかはよく吟味してプランニングするべき。
7.証明済みの論理で構成されている
- 実際に小さくやって細かくテストせよ。という意味ではない。
- アナロジーを現実的な範囲で用いられる範囲で、社会や組織で既に起きているメカニズムをもとに成果をワークさせる企画は一定の飛躍があっても多重仮説となることなく実現できる可能性が高い。
レベル3:人員やコストを投資するには必要
「良さそう」を超えて既存のリソース投資から改変を行なってでも投資をするべきだと評価されるための要素。
8.やらない場合の痛みが明確
- 究極的にはこれが存在しない場合には会社としてやる意味がないと言える。
- 何かを得ること以上に何かを失わないことの方が難しいため、何かを失わないための実践にはどの責任者も必死である。
9.実行不可能だったことである
- 継続的に活動している組織において、この成分にヒットする企画は盲点であるだけの可能性が高く実現しやすい。
- 3人ではできなかったけど20人の今は取れる戦略、みたいな。
10.悲願の達成に資する
- 達成可能な目標に対しては既に施策が十分マッピングされているケースも多い。
- そうではなく誰もがそうあるべきだと考えつつ諦められてきたことを実現可能にするアイデアが最強のアイデアである。
5.みんなが手を離す離脱点と対応
全体感としては下記の離脱点がある。
- ネグレクトフェーズ1
- リアクション獲得フェーズ
- ネグレクトフェーズ2
- ケイパビリティオーバーフェーズ
- マリッジブルーフェーズ
それぞれ簡単に解説と対策を記載する。
1.ネグレクトフェーズ1
- 解説
- 思いついたアイデアを忘れてしまったり、出すのが億劫になってしまうフェーズ
- 対策
- 思いつきはメモるか、人に当てるかはしておき外部化しておくと案外勝手に生きていく。
- または自分の中での解像度が上がったりする。
2.リアクション獲得フェーズ
- 解説
- 否定的な1意見で歩みを止め、アイデアを殺すフェーズ。
- 対策
- どういう意見が出ても5人くらいには当てた方がいい。
3.ネグレクトフェーズ2
- 解説
- リアクションを獲得する中で自分自身でも何に自信があり、何は懸念があるのかなどがわからなくなるフェーズ。
- そして歩みを止め、アイデアを殺すフェーズ。
- 対策
- 構造化がおすすめ。
- 自分でやるでも他者に話して構造化していくでも良き。
4.ケイパビリティオーバーフェーズ
- 解説
- 成分を獲得していく過程で、持ち前の知識や経験ではアイデアを形にしきれなくなる。
- つまり成長しないと自分のアイデアに対して自分が何もできなくなる。
- 対策
- 仲間を増やすのが良策。
- 1人でやるコスパは悪いし死にがち。
5.マリッジブルーフェーズ
- 解説
- 採択された後にどんどん不安になり尻込んでいくフェーズ。
- 対策
- だいたいが杞憂なので無視でok
6.持つべき考え方と習慣
1.アイデアはたいてい生き返る
- アイデアの実現を不可能とされている前提条件や制約条件について、現世においては高速に変化する可能性が高い。
- そういった背景事情などからほとんどのアイデアは半年いないに再検討の価値が出ることが多い。
- クリティカルなものに対しては定期的にやるべきかを再検討するだけでも、あなたのアイデアの採択率は向上する。
2.他人のアイデアをめちゃめちゃ聞け
- 他人からエッセンスやロジックやファクトを獲得するのが上手な人こそ、アイデア自体や成分を埋めていくのが上手である。
- アイデアを否定していた人の論理背景をしっかり聞いていくことでむしろより良い第三案に向かう最短ルートになるという経験も多い。
3.勝手に動け
- アイデアは採択されても、迷惑やコストが本当にかかり始めるまでの過程は長い。
- つまり、採択されなくともやっていい範囲がめちゃくちゃあるってことである。
- 勝手に動こう。
さいごに
注意点として10個の成分についてはあれを全て企画書に書けばいいという意味では全くないことについて触れておきたい。
企画書として10個への対応項目が1行書いてあったとしても否定はされる。
つまり、その組織体や事業体や業界全体にとっての痛みや喜びを本当に理解していくしかない。
そのための対話や勉強こそが良いアイデアを生み出すためには不可欠である。
そこを踏襲せずに自分の頭の中のアイデアランキング上位1位を振りかざす先に採択はない。