この知恵で考えられること
- 不便な方法で - 非効率な方法で - 属人的な方法で - 我慢で - 無駄な会議で
1. 「まだ市場がない」は幻想
新規事業でよく聞く言葉がある。
「これはまだ市場がない」
だが本当にそうだろうか?
本当に困っているなら、人はすでに何かで解決している。
- 不便な方法で
- 非効率な方法で
- 属人的な方法で
- 我慢で
- 無駄な会議で
“市場がない”のではなく、
自分たちが代替手段を観察していないだけである。
2. 新商品は必ず何かを奪う
どんな革新的なプロダクトも、
無から生まれてはいない。
必ず何かを奪っている。
- Googleは百科事典を奪った
- Slackは社内メールを奪った
- ChatGPTは「人に聞く時間」を奪い始めている
重要なのは、
競合は「似たプロダクト」ではない
競合は「今やっている行動」である。
3. 本当の競合は、プロダクトを使わない”行動”であることが多い
問うべきは、
「このプロダクトは何と戦うのか?」ではなく、
「このプロダクトは、どの行動をやめさせるのか?」
ここを間違えると、壮大なコンセプトを語りながら、
実際には誰の習慣も変えられない。
その普段やっている行動を辞めるというシーンを
リアリティを持って考えた時に障壁や重要な要件が見える。
4. MVPは“代替手段からの置き換え”から定義せよ
MVPを考えるとき、多くの人がやってしまうのは、
- 技術の定義から入ること
- 機能の一覧から入ること
- 未来像から入ること
だが本来はこう問うべきだ。
- 誰が
- 今
- 何を代わりにやっているのか?
そして、
その行動を、どれだけ自然に置き換えられるか?
例:
- 悪い定義:
- 「専門家に非同期でアクセスできるAIエージェントになるMVPを作ろう」
- 良い定義:
- 「Slackで毎回同じ人に質問してしまう行動を置き換えれるMVPを作ろう」
前者は“市場を作ろう”としている。
後者は“既存行動を奪おう”としている。
市場は後者からしか生まれない。
5. 存在しない市場を狙う危険
存在しない市場を狙うと、こうなる:
- PRは派手になる
- 言葉は壮大になる
- 革命を語り始める
だが行動は変わらない。
なぜなら人は、
「今やっていること」からしか変われない
未来像のヒントは多くの人にとっては知っておきたいだけである。
人を動かさない。
まとめ
市場とは、
- 欲望の集合体ではない
- トレンドの集合体でもない
市場とは、習慣の集合体である
そして新規事業とは、習慣をひとつ奪うことでしかない。
「まだ市場がない」と言った瞬間に、観察をやめている可能性がある。
まず見るべきは、
- 人が今どうやって解決しているか
- どこに時間を払っているか
- どこで我慢しているか
そこに市場はある。